炭酸キャンディ

予感



-恋side-


はじめて彼氏ができた夏休みは

あっという間に終わり、学校がはじまった

今までは苦だったけど

毎日駿に会えると思うとうれしくて

それだけで胸がわくわくしていた




朝は満員電車だったり

中々一緒に行くことが難しいし

お互い、麗や智哉くんと今まで通り行くけれど

帰りは必ず一緒に帰ろうって約束できたことは

平凡な毎日を送っていたあたしの大きな進歩だ




電車を降り、一段と大人っぽくなった麗と

歩き出すと「あっ智哉だ」と

嬉しそうに声を上げたから

あたしは何も言わず背中を押してあげた



まだまだジワリと額に汗を滲ますこの暑さだけど

こうやってたまに並木道を一人でゆっくり歩くのもいいかも


あっここにベンチあったんだ!とか

新しい発見をしながら。




しばらく歩いてようやく学校に着くと

久しぶりのロッカーで上靴に履き替え

3階まで上がったころには軽く息切れがしていた



やっぱきついよ...この階段


「おはよー」

教室に入ると久しぶりにみるみんなの顔


「あれ?なっちゃん髪切った!?」

「恋~!切っちゃった」

「やばーい!可愛い!」


やっぱり落ち着く、このクラスが大好きだ








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