お嬢様の秘密ー番外編ー
いじめっ子は私の元へは一切近づかなくなり、いじめを受けずに済むようになっていた。


でも私は夏菜以外の同年代の友達は誰も打ち解けることができなかった。


………特に男の子は


強い力で叩かれたこともあり、誰でも乱暴をしてくるんだ、と信じて疑わなくなっていた。


それに対して夏菜とはどんどん仲良くなった。


気づけば夏菜と出会ってから1年が経とうとしていた。





いつものように公園でおしゃべりをしていた。


小学生に成り立てで、ランドセルもまだ綺麗。


相変わらずクラスでは夏菜としか話していないけど。


「おい。」


知らない、こんな声。


声がした方を見ると、だいぶ大きい男の人がこっちを見ていた。


「お前らか。浅井夏菜と秋本ユリは。」


知らない人なので黙って逃げようとしたけど……




ーバシッ


子供の力ではとても抗えないほどの力で腕を掴まれた。


「俺から離れたら、お前らの命はねえぞ。」


私はビクッと肩が震えてしまったが、夏菜はピクリともしなかった。


「ずいぶんと聞き分けにいい静かな子供じゃねえか。」


再びぐいっと引っ張られて、連れて行かれそうになったとき………。



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