お嬢様の秘密ー番外編ー
-真理亜side-


ユリがやっと回復して、学校で会えたのはホッとした。


同時に父親に会いに行く勇気もくれた。


私は理央を従わせて保健室へ向かった。


「失礼いたします。」


理央が先に入り部外者がいないことを確認してから中に入った。


「…………お久しぶりです。」


なか続きになっている隣の部屋からジャックが出てきた。









漂う沈黙が私にはとても長く感じられた。


「………お父様………?」


「………そうだよ………。俺がお前の父親だ。」


悲しそうに私を見つめていたジャックに駆け寄った。


「………お父様!!」


勢いよく駆け寄った私を抱きとめてくれた。


頭を撫でられている感覚には懐かしさを覚えていた。


「………真理亜………」


私を初めて呼び捨てしてくれた。


低い声でそっと名前を呼んでくれたお父様。


目が熱くなっていくようだった。


私の目元に手をやって涙を拭ってくれた。


………私いつの間にか泣いていたんだ………。
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