俺は、お前がいいんだよ。

「でもさぁ、今日の放課後も話があるって呼ばれてるんでしょ?」


「それ、きっと説教だと思う。昨日の対応が気にくわなくて、色々と言いたいんじゃない?それより、そろそろ図書室から出ないと、授業…遅れちゃうよ。」


「えっ、あ……ちょっと由依!」


瀬ノ内君の話を強制終了させた私。


まだ話し足りなさそうな様子の恵理子と一緒に図書室を出た。


そうよ、絶対。


昨日のことに対する文句を言いたくて、私に屋上に来るように言ったんだ…。


親切で拾ってやったのに、あのお礼の言い方はないだろ…的な。


それ以外の話なんて、思い当たる節が無いもん。


さっきの会話中の笑顔は、“後でたっぷり説教してやるから覚悟しとけよ”みたいな不敵な笑みだったのかも…。


放課後、憂鬱だ…。


でも、元はといえば悪いのは私。


あの場で素直にお礼を言っていれば、事なきを得たんだから。


手遅れだとは思うけど、昨日のことはきちんと謝って、お礼…言おう。


それで、怒られよう…。


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