俺は、お前がいいんだよ。

トボトボと重い足取りで家に帰って来た私。


自分の部屋に入ると、ベッドの端に力なく腰を下ろした。


私と別れれば、陽希は幸せになる…?


もしも、そうなら私は……


溢れそうな涙を堪えながら、ギュッと唇を噛み締めた時だった。


“俺から別れを切り出すなんて、まず…有り得ないから”


“周りの比較なんて、どうでもいい。由依は由依だろ?”


“俺が彼女にしたいと思ったのは由依だけだったし、俺が…ずっと傍に居て欲しいのも由依だけ”


“自信持って堂々と構えてろよ”


不意に、頭の中で再生された陽希の言葉とその時の光景。


私の心臓がドクン…と熱く波打った。


何やってるんだろ…。


また、栗山さんと比較して弱気になってた。


私は私じゃん…。


そう心の中で言いながら、目元に溜まっていた涙をゆっくりと拭った。



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