俺は、お前がいいんだよ。

“伊織 由依ってさ、可愛くねぇ性格してるよな”


“顔が特別に可愛いわけじゃねぇんだから、せめて性格は…って感じだよな”


なかなか上手くいかないのが現実。


素直に話すことは難しくて、中学の時には一部の男子からは陰口をされるハメに。


もう、今のままの自分でいいや…。


そんな風に開き直ってた。


でも、この春…高校生になって、新しい学校生活が始まって…


これを機に素直になりたい…と再び思った。


それなのに、またしても…。


やっぱり、性格を変えるなんてこと…私には無理なのかな…?


苦笑いを浮かべながら、溜め息を零した。


まあ、男の子と話すことは…あまりないだろうし、私自身…なるべく話さないように心掛よう…。


そうすれば、相手を嫌な気持ちにさせることもないんだし…。


うん、そうしよう…。


心の中で頷きながら、穏やかな春の夕日に照らされた帰り道を足早に歩いた。


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