真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜


コンビニに立ち寄り、梅酒を買って歩いていると、歩道を挟んだ向こうにサンドイッチ屋さんの灯りが見えた。


「イチゴの生クリームサンド…」

そう呟きながら、頭に浮かんだのはやっぱりあのお兄さんの顔で


私はそっぽを向いて自分のマンションへと入って行った。

本当、どうかしてる。


名前も何も知らないうえに結婚してる男なんか頭に浮かぶなんて…。


どうして、奥さんは店に出ないんだろう…


考えないようにしながら

つい、考えてしまう。


そんな自分が憎たらしい。


名前も知らない。

けど、私は名前しか思い出せないような相手と平気で抱き合っている。


お金の、無い男は嫌い。

そう、貢いでくるような事もできない男は男じゃない‼


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