タイムトラベラー・キス
あれ?これって……
もしかして、キスのフラグ?!

竜見くんの顔がどんどん近づいてくる。
どうしよう、恥ずかしくって見ていられない。
思わず目を閉じてしまう。


今日、キスできたらいいなって思っていたけれど。
でも映画館の中ですることになるなんて思わなかった。
せっかく色々用意してきたのに、使う暇もなかったよ……。


目を閉じていても竜見くんの顔がすぐそこにあるのがわかる。
彼の吐息が、さらさらの髪の毛が顔にあたる。
もうすぐ……念願の……

好きな人との、ファーストキスの瞬間。



(ん……)


想像していたよりも柔らかい感触が唇に広がっていく。
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