お隣さんは意地悪センセイ!




「とにかく、早く帰りな。明日も早いんだから」



こ、告白スルーされてる!?



「あ、あの…さっきの言葉、本気ですからっ!」



「とりあえず、ってやつが?」



櫻木先生は思い出したのか小馬鹿にするように笑う。



「ほ、本気ですともっ!あたし、櫻木先生に見合う女性になります!だから、どうか視野に入れてはくれませんかぁあ」



その間にも腕を引かれ玄関に連れてこられる。



「先生、あたし、肉じゃがには糸こんにゃくいれますっ!お魚も焦がしません!だからどうかっ」



「意味わからないから。じゃ、ちゃんと寝なよ」




櫻木先生はあたしを摘まみ出すように廊下に出すと、直様ドアを閉めようとする。



「ま、待ってくださいっ!あたし、絶対櫻木先生のこと振り向かしてみせますからっ!」



「………」




「だから…その、覚悟し……って何でドア閉めるんですかっ!?」



あたしが言い終わらないうちに、櫻木先生はドアの鍵を閉めたのだった。




「せんせぇー!まだ話は終わってませんよー!」



絶対報われない。

無謀な恋が


今、始まりました。






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