Different Real
Real 7



神尾くんのお家に行ってから1か月。

梅雨の季節がやってきた。

「ジメジメする。気持ち悪い。雨きらい。ほんとに。」

いつになく不機嫌なみゆきが髪の毛をくるくるといじる。

「梅雨だからねぇ〜」

「はやく夏来てほしい」

唇を尖らせる姿がなんともかわいい。

くせ毛な髪がさらにくるんとなるのを毎朝鏡で見るのは確かにストレスが溜まる。

「紗恵は毎日髪の毛結んでるね〜」

「うん。アイロンが無意味で...」

「紗恵のくるくる髪がサラサラ揺れるの好きなのに〜!」

く、くるくる髪...。

これでも毎日アイロン頑張ってたんだけどなぁ...。

少し傷つきながらも笑う。

「へぇ、榎本ってくせ毛だったんだ」

隣から優しい声が聞こえた。

「毎朝巻いてるのかと思ってた」

なに食わぬ顔でそう言ったのはもちろん神尾くん。

巻いてません、むしろ伸ばしてます...。

ずーんと気分が下がり、さすがに笑えず俯いた。

「ちょっとー!紗恵のこといじめないで!」

「いやいや、いじめてないです...」





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