ギャンブルワールド
次の日、嵐は店長の元に行き、スロプロ軍団との勝負について聞いた。


「勝負は受けるって言ったか?」

嵐はタバコを吸いながらいう。


「勝負を受けると言っていたよ。即決だった。」

嬉しい表情の店長。その表情は昨日の店長からは想像がつかないほど良かった。


再びタバコを口に持っていき、くわえる。

「じゃあ勝負の内容はどうなった?」


「それはこの紙にまとめたよ。」


店長は紙を嵐に渡す。

嵐は灰皿でタバコを潰し、紙を見た。


勝負の内容は次の様に記されている。


『閉店後のパチスロ勝負。時間は夜中の12時か3時間で出玉勝負。閉店後に設定変更はしない。勝負は3日後。』



紙を見て、嵐は「やはりな」と呟く。


奴らはスロプロ(自称)である。そうなると勝負の内容もスロットになる。


しかも閉店後の設定変更をしないのは明らかに軍団の有利な条件だ。


連中は毎日、開店から閉店までパチンコ屋にいるのだ。


それだけ店にいたら設定も看破出来るだろう。



しかし、1つ気になることがある。


「閉店したらデータカウンターはリセットするのか?」

これはかなり重要。

その日のデータが見れたら、その台の挙動が大体分かる。


「いえ、これも軍団の提案でリセットはしない様になっています。」


「それなら勝機はあるな。」


俺は連中の様に朝からこの店では徘徊はしないから助かる。


データを見ることで少しは勝負がラクになる。


あとは軍団がどの程度の勝負運を持っているかだ。
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