喫茶人形 〜メイドの恋〜




玄関先で
アサノさまを見送る


「お忙しい方ですから」


「…あ」


一緒に見送ったメイドさん三人
その中で、一番年上風の人に
声をかけられた



「まぁ突然"嫁を連れて来る"って
おっしゃってからは
もう毎日ウキウキなさって…
こんなに若くて
おかわいらしかったら当然ね」


「ですよねぇ
前はホントに煮ても焼いても
ブスーッとし…あっ!」


「ちょっ!奥様の前よ!」



私は笑って
メイドさんたちは慌てながらも
やっぱり笑った


…私も思ってたもんなぁ
この人なに考えてるんだろうなって



「ま、まだ正式じゃないですけど…
がんばりますので
どうぞよろしくお願いします!」


「よろしくお願いします!ユキナさま

…でもホントよかった!
どんな我が物顔のオバサンが来るか
真剣に心配してたのよね?」


「そうそう!
前の彼女かなんか酷かったからねぇ」


「もう…
あなた達はすぐにそういう口を…!

わからない事がありましたら
なんでもお声をかけて下さいね?」


「はいッ!」


――… よかった

ここの皆さんとも
上手くやっていけそうだ…




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