喫茶人形 〜メイドの恋〜




――… 最初は、とても優しくて


だけど

舌が絡み合うと
もう二人とも 止まらなくなった…



「…逃げるか  俺と」


「――… あ…ッ…」


「…ずっと見てたんだ …お前のこと」




熱い息と一緒に
耳元で囁かれた言葉 ……


触れられるたびに…
それが痺れに変わって…


縛られたりも
なにもしてないのに…
キスだけで 体の自由が利かない…



ねぇ リョウスケ…
どうしたらいいの…?


…こんなこと
初めてなんだよ…リョウスケ



…つらいから、演技だってしてた


だって
気付かれことなんかなかったもの…




なのに唇から…

自分の自由にならない

甘えた声が たくさん漏れてくる…



「ユキナ…」




はじめて気付いた『好き』…


私は『花嫁』のドレスを着たまま


二人を写す 鏡の前で
大好きなリョウスケと 結ばれた…――







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