私の好きな人

「昴〜、苦しいから離して〜」

空気が読めないのか
あの女はお兄ちゃんに離れろと言った

「遥がまず、そいつから離れろ」

「い・やぁ。
僕は、司から離れないよ〜」

あの女は、抱きついてくるお兄ちゃんの体を押して離れさせ、お父さんを強く抱きしめていた

「遥。お前、昴にちゃんと言え
自分はお前の母親だと。」

「てめぇ、遥を使ってんじゃねぇよ」

もう…
また喧嘩が始まったよ…


お兄ちゃんは、あの女を母親としてではなく…

一人の女として見ている


昔から…ではなかった
高校生になる前くらいから

お兄ちゃんはいきなり
あの女に執着するようになった
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