私の好きな人

「慶都、もしかして分かってないの〜?」


昴くんに抱きついている…
いや、昴くんが抱きしめている遥が俺に驚いた顔して言ってきた


「遥、どういうこと…?」


分かってないって…何が…?


「……本当に分かってなかったんだ〜⁉︎」

「どういうことだよ、遥…」


司はなかなか話してくれない遥に苛立ち始めたのか、少し低い声を出し言った


「……慶都は雫を洗脳してたんだよ…
慶都も分かってなかったなら、無意識にって言った方がいいのかな…?」


遥はビクッと体を震わせたあと…
司の顔色を伺うように言った

そんな遥を見て、昴くんは
大丈夫、俺がいると遥を優しく抱きしめていた


「…俺が雫を洗脳していた…?
良太じゃあるまいし…

俺は雫を洗脳するなんて…
ましてや俺が洗脳出来るわけないだろ?」


良太なら、催眠術が使えるから
洗脳なんて簡単だろうが…

俺にそんな力はない

洗脳なんて出来るはずない…

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