私の好きな人
「優しいね…本当に…
僕、君のこと好きになっちゃうよ…?」
「あぁ…それは困るかなー
俺、女嫌いだし」
俺は笑いながら女に言った
女はどことなく
さっきよりは、明るくなったと思う
「えぇー
僕って、魅力的なんでしょう〜?」
「それとこれとは別」
いいんだよ、どんな自分でも
それが自分なんだから
他人に左右される人生なら
それで終わりだ
あんたなら
自分に自信がつくよ
「今日はありがと
君に会えて本当によかったよ
名前教えてくれる?」
「俺?
俺は、大谷 司」
「大谷 司か…
ねぇ、司
もし今度、司と会う機会があったら
司を誘惑してあげる
僕を好きになってもらうよ〜!」
「ははっ…
たぶん、無理だろうけど…
楽しみにしとくよ」
「絶対に惚れさせる!
僕、諦めないからね〜!
じゃあ、またね!つ・か・さ♡」
「おう!」
そのまま女は帰って
あとで、俺は女のことを知ることになる