ハッピーアワーは恋する時間
「楽しかったか?」
「とっても楽しかった!亜幸さん。今日はホントに・・・ありがとう」
「礼を言うのは俺の方だ。一緒に来てくれてありがとな」
「それから・・ごめんなさい」
「おまえが謝る必要はないって言ったろ?未散」
「・・・はぃ」
「怖い思いさせて悪かった」
「それは言わなかった私のミスだから!自分でまいた種っていうか・・」と慌てて言う私に、亜幸さんはニコッと笑うと、左手で前髪をかき上げた。

「怖いと思う物事を、わざわざ克服しようと思わなくていい。怖いものは怖い、それでいいんだ」
「・・・うん。亜幸さんってホント・・・優しいね」
「俺が?万人に優しく、なんてことはいまだにできないが、関わる人たちには優しくしようと心がけてはいる」
「そっか。だから私にも優しいんだ」

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