今日こそ絶対に自殺します。






「ーーーふふ」



色鮮やかな表情のウツボを見て、パピヨンは嬉しそうに笑った。


そして、


「じゃあ俺はこの後用があるからっ!
まったねーんっ!!」


そう言ってベンチから立ち上がると、ポケットに手を突っ込みながらその場を後にしたのだった。







「………」




私の瞳に映るパピヨンの後ろ姿。


黄ばんだ白いスーツに、薔薇のように真っ赤なシャツに、お祭り騒ぎの金髪頭。



最初は何も考えていない馬鹿だと思っていたけどーーー




どうやら彼はただの馬鹿じゃないらしい。






「……変な人」



本当にーーー変な人。



だけど、





「ーーー憎めない」







少し猫背になりがちな後ろ姿。



そんな彼の背中からはどこか寂しげな雰囲気が漂っていたーーー





< 131 / 326 >

この作品をシェア

pagetop