サンドリヨンに憧れて
「香澄・・どうする?」

「え?・・もう遅いし・・帰りましょう・・」

「どっちに?」

「って自分の家に決まってるでしょ」

「なぁ・・ここに泊るか?」ビルの上を指さした。

そのビルの上層階はホテルだった。

「は?」

「だから・・・」

「あの・・・それって・・・」

「そう・・お泊まり」

「あかんでしょ。いきなりは」

「俺は・・香澄と泊りたいな・・」耳元で囁かれた。

「あの・・無理です」

「残念・・」

「それじゃ・・孝男さん・・また今度ということで・・・」

「じゃ・・少し風に当たってから帰ろっか・・」

「はい・・・」

すっかり暗くなったが、街灯のオレンジ色の明かりが回りをきれいに見せていた

「今日は暑かったから・・この風が気持ちいいな・・」

「そうですね・・・」

柵にもたれながら、ぼんやりと夜景を眺めていた。

「香澄・・・」そっと私の頭を引き寄せてもたれさせてくれた。

「こっち向いて・・」と言われたので顔を上げると・・私の顎をあげて

そっと唇を重ねた・・・

こんな見えるところで・・・恥ずかしくなって慌てて離れた。

「孝男さん・・いきなり何すんの」

少し強引に私を引き寄せて抱きしめた・・

「しばらく・・こうさせて・・」

課長の胸の中でじっとすることしかできなかった・・。
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