サンドリヨンに憧れて
「香澄・・・」こっちに向かって歩いてきた。

「伸也・・・」

近づいた時、隣に立っていた課長の姿に気づいて驚いていた。

「課長・・・」

「立川・・お前こそ何や、こんな時間に」

「何で香澄と一緒なんですか?・・」

「お前に関係ないことやろ」

「俺は香澄と話があって来ただけなんで・・香澄・・ええか?」

私の腕をつかもうとした時、課長が私の体を自分のほうに引き寄せた。

「あほか・・何してんねん」

「課長には関係ないことですから・・」

「今は・・関係ある」

「は?」

「香澄・・もうええな・・」

「お任せします・・・」

「立川、こんなことするな。お前は結婚も決まってるんやろ。
それやのに香澄と会ってどうする気や・・」

「課長には俺達がどうなろうと関係ないでしょ。まだこいつ・・俺のこと
気にしてるみたいやし・・・」

「それ・・自惚れとちゃうか?」

「は?」

「香澄は俺の彼女になった。お前が首を突っ込むところは・・もう無い」

「え?マジか・・それ・・」

「あほなことする前に・・はよ婚約者の所に帰れ」

「香澄・・それほんまか?」

「ほんまやから・・・もうここに来んとって」
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