キミ色の夏
2 キミとの再会


………

……




2日後。




「うぅ……剛くん……ぐすんっ……」




放課後の遅い時間。


私は一人で、屋上前の踊り場に うずくまっていた。

2日前と同じように……ううん、あの時以上に、泣いている。



「こんなの、ひどいよ……」



泣いてる理由は、もちろん剛くん絡み……。


……結局あのあと、

剛くんからはなんの連絡も無かった。


ちゃんと話がしたかったけどクラスが違うから全然会えなかったし、

昨日は放課後にパソコン室に行ったけど、剛くんに会うことは出来なかった。


だから私は今日、昇降口で剛くんを待ち伏せしていた。



そこで見たのは、

『恋人』と並んで歩く剛くん。



私と別れてまだ2日しか経っていないのに、剛くんには既に彼女が居た。

剛くんと同じクラスの子……だったと思う。


すっごく可愛くて、かなり人気があるって聞いたことがある。

その子が今は、剛くんの彼女……。



「……あんな風に、私を見るなんて……」



既に彼女が居る。 ということに愕然とする私。


そんな私と目が合った剛くんは、

何か汚ならしい物を見るかのような目だった。


そして、完全無視。

剛くんはそのまま彼女と楽しそうに笑いながら帰っていった。



「優しい人だと、思ってたのに……」



……私たちが過ごした1ヶ月は、なんだったの?


二人でいっぱい笑い合っていたはずなのに、

今日の剛くんはまるで違っていた。


すべてが。

私たちの思い出が全部、砕け散った瞬間だった。


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