痛々しくて痛い
「という訳で、この後はいよいよ現実的な業務の進め方を話し合うべく、真々田屋社内報の編集会議に突入したいと思います。じゃ、課長。後はよろしくお願いしますね」

「……はいはい」


あらかじめここでバトンタッチする取り決めがなされていたのだろう。


絹田さんの促しに、一瞬億劫そうな表情になったものの、すぐに覚悟を決めたように、染谷さんは勢い良く立ち上がった。


「ただ、ちょっと休憩を挟んでからにしようか。しゃべりっぱなしで疲れただろ?伊織」

「あー。言われてみれば、そうですね」

「各自飲み物を用意して、一休みしてから会議に入ろう。トイレに行きたい者も今のうちに」


染谷さんの指示に従って皆一斉に席を立ち、思い思いに行動し始めた。


私は絹田さんと連れ立って化粧室に行ってから、自販機で飲み物を仕入れて来るという彼女と別れ、部屋に戻りインスタントコーヒーを淹れる。


席で待機していると、色々な茶葉がブレンドされたペットボトルのお茶を手に絹田さんが現れ、席に着くなりフタを開け、口に含み、それを飲み下したあと、満足そうに「ふー」と息を漏らした。


酷使した喉を冷たいお茶で潤す事ができて、思わずこぼれたため息だろう。


ほどなくして、売店まで遠征しようと話していた麻宮君と大庭さんが、それぞれスポーツドリンクと紙パックのオレンジジュースを手に、楽しげに語らいながら戻って来た。
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