痛々しくて痛い
「そうそう。俺が以前ちょろっと説明した事を、ちゃんと覚えてたんだな」

「当たり前ですよー」

「へー。そうだったんですか…」


染谷さんと大庭さんのやり取りを受け、麻宮君がポツリと呟いた。


「毎号配られてるのに、通常のページ数も、春号だけ増量されてるなんてのも、全然認識していませんでした」


「…実はあんまり真剣に読んでなかったんだろ?」

「えっ?あ、いや…」


麻宮君にしては珍しく口ごもってから、観念したようにカミングアウトした。


「すみません。一応目は通していたんですけど、これといって印象には残っていませんでした」

「まぁ、社内報なんて、所詮そんな立ち位置なんだよな」


染谷さんは苦笑いを浮かべて続ける。


「そもそも、俺達作る側がやっつけ感満載だったし。とにかく期日までに仕上げる事が第一目標で、内容はあんまり吟味してなかったというか。だから毎回デジャヴ漂う誌面だったんだよ」

「でも、他に仕事を抱えながら、ですもんね。そうなってしまっても、やむを得ない部分もあったかと思います」

「んー…。まぁ、それを言い訳にしちゃいけないんだけどな」


控え目に繰り出された麻宮君のフォローに甘える事なく、染谷さんは言葉を繋ぐ。


「緊急性があって、全員に周知しなければならない情報に関してはその都度通達されてるから、社内報の閲覧に関しては、皆あまり重きを置いていないんだよな」
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