Assassins
百八星
半日が過ぎようとしていた。

また山中に潜伏した亮二は、小川を見つけ、炎に包まれた教会から脱出する際に負った火傷の手当てをする。

幸い然程酷い火傷ではなかったが、放っておいては皮膚が引き攣る。

綺麗な小川の水で冷やす。

こんな時ですら、亮二は苦痛に表情を歪める事もない。

感情は殺していた。

殺しを生業としているのだ。

まともな感情を持ち合わせていては、精神がどうにかなってしまう。

そういった意味では、暗殺者というのは皆異常者だ。

鼻歌混じりに命を奪う。

程度の差はあれ、まともな人間でないのは明らかだった。

< 101 / 360 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop