不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜

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それから数日後の放課後ーー




「ちーちゃん、唯ちゃん!明後日のプールの件なんだけど、待ち合わせ場所はどこにする?やっぱり駅前が一番わかりやすいかなぁ!?」




いよいよ明後日が待ちに待ったアクアランドへ行く日!




その事で浮かれに浮かれていた私はこの時、自分でも驚くほど弾んだ声で二人に話しかけていた。




しかしである。




「咲希!ごめん!!明後日のことなんだけど、陸上部の予定が急遽変更になっちゃって!!プール…行けなくなっちゃった……。っ本当にごめん!!!!」


と、ちーちゃんが突然私に対して申し訳なさそうに手を合わせてきた!!



「え!!?そ、そうなの!?」


「なんか、さっき部長から連絡が来て……、練習は日曜になったって…。マジでごめん、咲希っ!!」


「そ、そうなんだ……。」



部活じゃ仕方ないよね…。


一緒に行けなくなったのは悔しいけど、


きっとちーちゃんの方がもっと悔しいんだろうな。



一番行きたがってたわけだし。




すると今度は唯ちゃんがかなり気まずそうに私に歩み寄ってきた!



「咲希ちゃん、ごめんなさい!!!」



あれ?


今度は唯ちゃんが謝ってくるけど、いったい…??



唯ちゃんは必死に私に頭を下げてきたっ!!


「じ、実は………私も日曜日行けなくなっちゃって……。」


「え!!!ゆ、唯ちゃんもッ!!?」


「う、うん……。その日ね、親戚の結婚式があるのを忘れてて…。私も出席しないといけないみたいで。それに、会場が地方だから前日にはもうそっちへ行っちゃうの……。」



う、うそ……。



まさか二人とも行けなくなるなんて……。




私は少しの間だけ呆気にとられてしまい、放心状態になってしまった。


でも二人が必死に謝ってる姿を見て、我に返る!



二人にとっては、どっちも大切な用事だもんね!



こればっかりは正直仕方ないよね!
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