不良リーダーの懸命なる愛 〜プール編〜

猛者


それからすぐに私と霧島くんはタコの浮き輪を借りるとお店を出た。



「さてと。じゃあ最初は流れるプールから入るか?」


「…………。」


「咲希?どした?まださっきのこと気にしてんのか?」


「なっ!?きき気にするよ!!だ、だって、周りに見られたんだよ!?その……………キス………をさ!」



そう。


私の腕に抱いているこのタコさんを借りるときに、人前で霧島くんにキスをされた時のことを私はまだ忘れられずにいたのだった。



そ、そんな簡単に気持ちを切り替えられるわけないじゃないっ。



キスされる時に“好き”発言までされて、


おまけにあんなカッコイイ顔でキスされちゃ、こっちの心臓がいくつあっても全然足りないよーーー!!!




「だって仕方ねぇジャン。したかったんだから。」



んなっ!!



ひ、開き直り!??



「もう!公共の場所では駄目だってあれほど言ってるのに!!霧島くんのバカ!」


「まあ、そりゃあバカにはなるわな。なんていっても咲希相手だし?しかもこの俺をさしおいて他の奴と楽しそうに話してたし?」


と、今度はなぜか霧島くんの方が口を尖らせると、恨めしそうな顔で私を見つめてきた…!



「え…?霧島くんをさしおいて話してたって、」


“それってもしかしてヤスさんとの事??”



そう訊(き)こうとした時、突然霧島くんの気配が急に近くなって……。





チュッ。






!!!!




「はい。この話はもうおしまい。今のは仲直りの握手の代わりな?」



んなぁ~~~~!!!




言ってるそばから今度はおでこにぃーーー!!

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