続・祈りのいらない世界で
「カゼ?そんなに食べるの?」

「………うん。冬眠中の常備食」

「冬眠!?」



カゼは買ったお菓子を袋から取り出すと、黙々と食べ始めた。


5人はホット珈琲や中華まんを買い、商店を後にした。



店の中で暖まったせいか、さっきより一段と寒さが身にしみる。



「あ゛〜あぁぁぁ!!!!」

「変な声を出すな、キヨ」

「だって寒いっ!!死んじゃう!!」



肉まんを握りながら、変な奇声を発しガタガタ震えるキヨにカンナは自分が被っていたニット帽を被せた。




「キヨは風邪引きやすいんだから、もっと厚着して来なきゃダメよ」

「ありがとう、カンナ」

「いいよ。それより寒くない?大丈夫?」



母のようにキヨを心配する優しいカンナ。

そんなカンナを見てキヨはニンマリと微笑んだ。




「カンナが彼氏だったら良いなぁ♪優しいし、頭良いし、美人だし。文句なしだね」

「あら。じゃあキヨが変な男に引っ掛かる前に私が頂いちゃおうかしら」



カンナはイノリとケンを見ながらキヨを抱きしめた。




「まさかのカンナがライバル!?…俺、カンナには適わないよ〜」


「………そこいらの男よりカンナの方が男前だからね」


「どういう意味よ!?カゼ」




商店からの帰り道をいつものように騒いで歩いていた5人。



5人が並んで高橋商店に行ったのは、この日が最後だった。
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