続・祈りのいらない世界で
「キヨ〜。鍋出来たよ……って!!何してんだよ!!このバカ夫婦!!」



イノリの部屋に入ってきたケンは、コートの中で抱きしめ合っている2人を見て叫ぶ。


そこにフウもやって来た。




「フウ〜…。バカップルがいるよ〜。俺、何だか寂しくなってきた。フウ慰めて〜」

「………いやーん」

「ガーン!!フウにフラれた」



フウに拒否され、うなだれるケン。







私がもし、他の人より些細な事を幸せだと思えていて


その幸せを何かに詰め込む事が出来たのなら



イノリとケン、カンナとフウに均等に分けてあげたい。



…まぁ、みんなよりイノリにはちょっと多めに分けちゃうかもしれないけど。




大好きな人達がいっぱい幸せになれるのなら、私は少しだけ幸せでいい。



みんなが笑っているのなら、それがもう私の幸せだから。



キヨはそう思った。
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