続・祈りのいらない世界で

25・心変わり

「…え?」



ある日の夜更け。


お腹の張りを感じトイレに向かったキヨは、下着に血が付いている事に気がついた。




「イノリっ!!イノリ〜!!!!」

「…あ〜…?何だよ、こんな夜中に…。陣痛でも来たか?」

「生理が来ちゃった!!」

「はぁ!?」



イノリの部屋に駆け込みイノリを揺するキヨ。


イノリは眠たそうに片目を開くと体を起こした。



「生理って…。妊婦が生理になるワケねぇだろ!!」

「だってパンツに血が付いてたんだもん…」



キヨが不安そうにイノリを見ると、イノリはキヨと共にトイレに向かい出血を確認した。



「本当に出血してるな。…どっか痛い所とかねぇのか?」

「最近お腹の張りが酷い。昼間は落ち着いてるんだけど、夜になると痛いくらい張るの」



キヨはお腹をさする。


最近のキヨはお腹の張りを感じるようになり、時折痛みも感じていた。



「カンナはつわりもなければ、美月みたいにどっか痛くなったりしなかったからな。お前は本当、体が弱いっていうか…妊婦には向いてねぇ体なんだな」


「そんな事ないもん!!子どもいっぱい生むんだからそんな事言わないで!!」


「俺だって1人じゃ終わらせねぇよ」



イノリはキヨを抱き上げると、自分の部屋に運んだ。





「今日起きたら朝一で病院に行ってこい。ケンが休みだから連れて行ってもらえ。危ねぇから1人では行くなよ?」

「うん。わかった」

「今は腹痛くねぇか?」

「…ちょっとだけ」

「ったくガキが。美月を苦しめんなよな」



一緒にベッドに入ったイノリとキヨ。


イノリは眠りにつくまでキヨのお腹を撫で続けた。
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