続・祈りのいらない世界で
「あっ!コラ、フウ!!陽ちゃんのこと転がさないの!」


「……あうー。ちあうの、ふう、よーちゃんのおてつだいしたの」


「陽ちゃんはもう1人でゴロン出来るから大丈夫なの。…でも、ありがとうね」



寝返りは今はもうお手のものになっているヨウセイだが

寝返りを打つ前に左右にコロコロ動いている時期、よくフウに転がされていた。




「……よーちゃん、うんしょ、うんしょしてたから、ふう、ころーん、してあげたのよ」


「そうね、フウは陽ちゃんの為にしてくれたんだもんね。怒ってごめんね」


「……ふう、いいこ」



フウはボテッとお座りをしているヨウセイの元へ向かうと、おむつで膨れているヨウセイのおしりをつついて遊び始めた。





「イノリ、キヨ。話があるんだけど」



昼過ぎになり、ご飯の支度をしているキヨと寝起きの為リビングでボケっとしているイノリの元へカンナとケンがやって来た。




「何だよ。改まって」

「これからの事について話したいんだ」



寝起きで不機嫌なイノリはケンの顔を見ると、ちゃんと座り直した。




「キヨもこっち来て座って?ご飯は後でいいから」

「はいはーい」



キヨはコンロの火を消すとリビングに向かった。


ソファにイノリとキヨが座り、その目の前にケンとカンナが座る。




「あのね、私達…ここを出て地元に帰る事にしたの」

「地元?帰ってどうすんだよ」



イノリがカンナを見ると、カンナはケンに視線を移した。



「俺、カンナの祖父母の農家を継ぐ事にしたんだよ。カンナの両親の許可も得た」


「農家って…。資格とかいらねぇの?ケンみたいなモヤシっ子に出来んのか?」


「私の祖父母も資格なんか持ってなかったわよ。ただ、それなりのスキルが必要だけど」


「それはちゃんと勉強するよ」




イノリとキヨはケンとカンナを見ると頷いた。
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