幼なじみの溺愛が危険すぎる。(後編)
お腹のなかのハルにこぼすと、玲音がはっとしたようにゴシゴシと目をこする。



「頑張るっ、俺、もっと頑張るからっ!!」



「はいはい、玲音は十分よくがんばったよ」



新薬の開発チームに入るため、大学の研究室で学んでいる玲音は

今日、念願の(?)学生結婚を果たしてもうすぐパパになる。



まだ、数センチに満たないお腹のなかのハルを手のひらでそっとなでる。




如月春美。


おばさんの名前から一文字もらってお腹の子にハルと名付けた。



男の子でも女の子でも名前はハル。




おばさんから渡されたアルバムにはたくさんの玲音の写真と、高校時代の私たちの写真が貼ってある。


アルバムの最後のページにはおばさんと一緒に選んだウエディングドレスを着て

おばさんの病室で玲音とおばさんと3人で撮った写真が貼られている。



「母さんも俺たちの結婚式、どこかで見ててくれたよな」



「…うん」



目を潤ませた玲音に小さく頷く。

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