美人モデルは最強姫⁉︎
「どうして!どうしそんなこと言うの!」


愛奈はすでに少し涙目になっている。


「ふんっ。これだからお嬢様は。みんな銀龍のみなさんを好きなのよ。だから、抜け駆けは禁止ってわけ」


私達を威圧するように腕を組んでみせた。


「ふっ…くだらない」


私は挑発するように鼻で笑ってみせる。


何が抜け駆けよ。


そんなのぶつかっていくのが怖いだけじゃん。


「なんですって⁉︎」


頭に血が上っているのか、あやかとか言う奴の顔が真っ赤になってきた。


どれだけ怒りを奮闘させたところで私が負けるわけないし、どうでもいいけど。


「そんなの早い者勝ちでしょ。ホントバカみたい。付き合ってらんない。愛奈、行こ」


無理やり愛奈の手を引っぱった。


「…うん」


愛奈は途中何度もチラチラと後ろを向いて、5人のことを気にしている。


全く…愛奈は優し過ぎるんだよね。


そこが良いところなんだけどさ。


私達が去った後、5人が何かを話していたことは知る由もなかった。

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