みんなの冷蔵庫(仮)2
「くららが言うみたいに、嬉しくて泣けるくらいの相手といつかエッチできるかな?」


白いサンダルから伸びたまっすぐの足に見とれていると、野崎さんはそういって床に置いた紙袋を手に取った。

朝からエッチの話なんてやめてよもう、と言おうとしてやめた。

彼女の寂しそうに伏せた目には、何か悲しい決断をしたような色が浮かんでいた。


「できるよ。野崎さんかわいいもん」


他にもっといい言葉があると思うんだけど。

すぐ答えないと……とにかく沈黙が良くないような気がして、慌ててそう言った。

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