みんなの冷蔵庫(仮)2
「入れる……」


私は唾を飲み、呟く。


「頼む」


京極は勢いよく頭を下げた。


「頼む事しかできなくて、すまない」


倒された上体から、絞り出すように震える声がした。


「お前達を頼るばかりですまない」


もう十分だった。

十分過ぎる程、分かっていた。

京極の気持ちも今の状況も。

私の弱い気持ち一つで乱してはいけないことも。

私は頷き――――


手の平を京極に向け、意識を集中させると――――


光を放った。


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