みんなの冷蔵庫(仮)2
近くで見るとますます美人なんだけど、爽やかじゃない……なんというか妖力みたいな魔の魅力を感じてしまう。


「ねぇねぇ、そこでちょっとコーヒー飲まない?」


え?

拍子抜けしてしまうほど、いきなり出てきた思いもかけない言葉を、理解するのに数秒かかった。

相変わらず低いんだけど、弾んだ明るい声だった。


「飲む訳ないじゃん」


野崎さんがそう答え、掴んだ私の手を強く引いた。
どうしてこういう展開になっているのか私には全く理解できないまま、二人の視線の間で火花が散っているのを見守る。

お互いがけん制し合うような、冷ややかな女の争い。


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