みんなの冷蔵庫(仮)2
「龍ちゃん長い事ヤッてないから、あんまり誘惑しないでね―。じゃ」


形の良い唇がさらりとそんな言葉を紡いだかと思うと、ひらりと身を翻してあっという間に店の外に消えてしまった。


私達は店員さんがフライドポテトを持ってくるまで、並んでぽかんと座っていた。

野崎さんが魔法が解けたみたいに先に我に帰り、私の両肩を掴んで揺さぶった。


「くらら聞いた? 長いことヤッてないって。今がチャンスよ!」

「なに言ってんの……」


チャンスなんかじゃない。

あれは余裕だ。

余裕があるんだ。
愛されてる自信が生んだ余裕。




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