アタシはイレモノ
グネグネと体を動かして進む灰色のソレに、背筋がゾクゾクと寒くなった。


公園で見かけたあのヘビだ!!


あたしは小さく悲鳴を上げ、栞理たちが逃げた方へと走った。


ヘビはベンチの足のところを縫うようにして進んでいる。


「なんでこんなところにヘビがいるのよ!」


栞理が叫ぶ。


そんなの、こっちが聞きたい。


公園は草むらがあるけれど、ここには草むらも森もない。


一体どこから現れたのか見当もつかない。


「まじかよ」


「毒ヘビかな?」


男子たちもそのヘビの毒々しい柄に、どう対応していいかわからずにいる。


普通のヘビなら追い払うくらいできたかもしれない。


その時だった、ケンジ君が立ち上がりヘビに向かって歩き出したのだ。


「ちょっと、危ないよ!?」


あたしが声をかけると、ケンジは振り向き「俺、幼いころ田舎に住んでたからヘビとかにも慣れてるんだ」と、言った。
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