アタシはイレモノ
確かに、今日のあたしはわかりやすく七変化していると思う。


でも、それは他の子たちだってそうだ。


川上晴輝君の行動や言動に一挙一動しているんだから。


全く動じていないのは亜耶くらいなものだ。


「亜耶も、川上君の事カッコいいと思うでしょ?」


そう聞くと、亜耶は箸でウインナーをつまんだまま首をかしげた。


「カッコいいとか、よくわかんないかなぁ」


そう答え、ウインナーを口に運ぶ。


「嘘でしょ!? 川上君は誰がどう見てもイケメンだよ!?」


「そうなんだ?」


興味なさそうに次のおかずに手を伸ばす亜耶に、あたしは唖然としてしまう。


「ねぇ、亜耶。これを見て」


あたしはそう言い、ポケットから小さな鏡を取り出した。


「鏡?」


「その中に映っているのは?」


「あたしだけど?」


「その子は可愛い? 美人?」


そう聞くと、亜耶はまた首を傾げた。
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