アタシはイレモノ
わかってるくせに。


亜耶は首を傾げてあたしを見る。


その仕草に、あたしはまた泣きそうになった。


その時、教室の前のドアから栞理が入っていくるのが見えた。


あたしは栞理に視線を移す。


栞理はあたしと亜耶が一緒にいる所を見て、一瞬顔をしかめた。


なにか言われるだろうか?


そう思っていたが、栞理は普通にあたしと亜耶に挨拶をして自分の席へと向かった。


その様子にホッと胸をなで下ろす。


栞理はいい子だと思いながらも、少し緊張していたことに気が付いた。


「2人とも、おはよう」


亜耶と2人で話をしていると、そこに川上君がやってきた。


朝の短い時間はファンクラブの子たちは来ない。


「おはよう」


あたしがぎこちなくそう返事をして、亜耶は川上君へ向けてほほ笑んだ。


川上君の視線は亜耶へ向かう。
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