アタシはイレモノ
「あたし、亜耶に社会人の知り合いがいるなんて聞いてないよ」


あたしは栞理の話にそう言った。


「あえて言わなかったんじゃないの? 告白してきた2人がいなくなったら、自分が疑われるから」


「そんな……!」


「亜耶は元々2人を組に引き込むように狙っていたのかもしれない。


あれだけの美貌を持っているんだもん、告白をさせておいて付き合いたいなら組の人間になれって言うくらいできるでしょ」


栞理は何の感情もこもっていない口調でそう言った。


「でも、亜耶は今を楽しみたいって言ってた!」


あたしは思わず声を上げてそう言っていた。


今日の亜耶は少しおかしかった。


まるで、自分の寿命を知っているかのような様子だった。


そしてそれが長くないということも……。


「それじゃぁ、一緒に調べてみる?」


「調べる……?」


「そう。高畑亜耶について、徹底的に調べよう。あの子気味が悪いのよ。綺麗すぎるし、どんな生活をしているのかもわからない。


あの子を見ていたら時々死んでいるのか生きているのかさえ、わからなくなる」
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