アタシはイレモノ
栞理の言葉にあたしの脳裏は一瞬真っ白になってしまった。


これだけの人数がいるのが間違いじゃないのかと思って聞いたのに、行方不明者がこれ以上にいるかもしれないと言い返されてしまったのだ。


あたしは何も言わず、ファイルの紙を取り出した。


白い用紙にズラリと男性の名前が書かれていて、その横には年齢や住所、家族構成なども書かれている。


「これ、全部調べたの？」


「うん。まぁ、友達にもだいぶ手伝ってもらったけどね」


さすが、交友関係の広い栞理だ。


短期間でここまで集めてくるとは思っていなかった。


「でもこれ、女の人の名前まであるよ？」


いくらかページをめくってみていると、時々女性の名前が混じっているのが気になった。


「それも、あの子に告白していなくなった人だよ」


「え……？」


栞理の言葉にとまどい、キョトンとしてしまう。


でも、亜耶ほど綺麗なら同性から好かれる可能性も十分にある。
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