アタシはイレモノ
「ゲエェェェェェ!!!!」


周囲に響き渡るような激しい嘔吐音の後、亜耶の口から何かが出て来た。


喉の奥の方に無数に光るものが見える。


あたしは思わずその場に尻もちをついていた。


これは一体なんなの!?


あたしの知っている亜耶じゃない。


恐怖で声も出せず、ただその光景に釘づけになっていた。


やがて口の奥の無数の光は亜耶の口から這い出て来たのだ。


それは……灰色のヘビだった。


無数のヘビが亜耶の口から這い出てくる。


亜耶は透明な唾液と涙を滴らせながら、すべてのヘビが出て行くのを待っている。


あたしは唾液が亜耶の胸元を濡らすのを見ていた。


公園で見た少女、丸尾先輩から告白を受けた後の亜耶の姿が、今の亜耶と一致する。
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