アタシはイレモノ
あたしは不安で少し震えている足を一歩前へと踏み出した。


この向こうになにがあるの……?


長く伸びた草を手でかき分ける。


その時だった。


あたしの通っている桃川高校の女子生徒の制服が目に入り、あたしの思考回路は一瞬真っ白になっていた。


女子生徒は草むらの中にだらしなく座りこみ、うつむいている。


長い髪の毛で顔は見えない。


でも……その茶色に髪の毛には見覚えがあった。


「亜耶!!」


あたしは咄嗟にそう叫び、亜耶に駆け寄っていた。


今日はポニーテールにしていたはずなのに髪はほどかれ、葉っぱやゴミが絡みついている。


あたしはその場に膝をついて亜耶の顔を覗き込む。


青色の目がうつろな様子であたしを見た。


やっぱり、亜耶だ!!
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