アタシはイレモノ
「リリ、一体どうしたの!?」


声をかけながら走り寄ったその時だった。


草むらの中からクチャクチャと、誰かが何かを食べているような音が聞こえて来たのだ。


あたしはリリの後ろに立ち、音のする方をジッと見つめる。


葉っぱに紛れて何かが動いているのが見えた。


一体あれはなんだろう?


一瞬何かの動物かと思ったけれど、その体は枯れ葉に隠れてしまうくらい小さくて、違うようだ。


あたしは近くに落ちていた気の枝を手に取り、動いている辺りの枯れ葉をそっとどかしてみた。
< 3 / 275 >

この作品をシェア

pagetop