アタシはイレモノ
川上君は相変わらずカッコよくて、1日経っても思わずジッと見てしまうくらいだ。


教室に入って来た川上君はすぐにあたしと目が合い、そしてニコッと微笑んだ。


その笑顔にドキッとするあたし。


「古川さんおはよう! 昨日は校内案内ありがとう」


「お、おはよう!」


真っ先に挨拶をしてくれた事にドキドキしながら、あたしは返事をする。


「今日も校内案内してくれるんだよね?」


その言葉にあたしはキョトンとしてしまった。


すると川上君は少し困ったように小首を傾げる。


「あ! そ、そうだったよね! あたしったらすっかり忘れてた!」


昨日は亜耶の事があったから、校内案内が中途半端で終わってしまった事を忘れていたのだ。


「そうなんだ? じゃぁ、案内は無理しなくていいよ」


あたしに気をつかってそう言う川上君。


「全然無理なんかじゃないよ! あたし、帰宅部だから暇だし!」


慌ててそう言うと、川上君は「本当に? 迷惑だったら言ってよ?」と、気を使ってくれている。


「迷惑だなんて、とんでもないよ!」
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