私を思って
やっと人混みを抜けた

「ここらへんでいいか」

「うん!」

二人で海を眺めながら座り、花火が上がるのを待つ




すると、





『只今より、20××年 大花火大会を行います』


スピーカーから放送が聞こえた直後






ヒュ〜〜〜〜〜


と一筋の光が空へ昇っていくのが見えた


すぐに



ドーーーーーン!!!





心臓にまで響くこの音





綺麗だな…


ふと、横のかけるの顔を見ると


目が合ってしまった


すぐに花火の方へと顔を向き直す





心臓がバクバク言ってる



どれくらい長いこと花火を見続けただろう



『以上で、20××年 大花火大会を終了いたします。なお、お車の移動につきましては…』




終わっちゃった





かけるのほうを見ると、まだ空を眺めていた


「かける?」


「あ、ああ」


「帰る?」

「あかねはどうする?」

もう少しいたい。けど、かけるは早く帰りたいかな…


「俺はもう少しいたいけど」

まるで私の心を察したかのようにかけるが言った


「わ、私も!」


「砂浜の方行くか」


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