brass band
『うひゃっ!』
扉を壊しそうな勢いであけ、挙句に抱きついてきたのは、
『……愛弥音』
わりと小柄な女の子。細身の体に似合わずパワフルな声の長谷愛弥音。
『おはよう!』
『おはよう。愛弥音、隣なの?』
『うん!隣!よろしくね』
よかった。話せる人が近くにいて。むしろ隣とか助かる。話せない人と隣でもノート見せてもらえないだろう。
『よかった。目、悪いからノート見せてもらえる?』
『お安い御用!』
『フフ、頼もしい』
なんて話していたら、「俺には冷たいのにぃ〜」とかぶつくさいいながら和樹がかまってアピールをしてくる。
それをガン無視して、愛弥音と話をする。絶対私がいった意味わかってないんだろうな。
時刻が8:10をさしたころ、
ガララっ
『おはようございます、廊下に出席番号順にならんでください』
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