最強ヤンキーとおてんば美少女
目に涙が溜まり始めた時



ガシッーー



「ひぃっ…!!!」



突然、肩を掴まれ恐怖が募る



「やだやだやだ!!」



「姫歌!!!」



「れ…ん…?」



恐る恐る、後ろを振り向くとそこには息を切らした蓮がいた



「いきなり、離れんなよ…」



「蓮〜〜〜!!!!」



安心した私は泣きながら蓮に抱きついた



「あぶねっ…!」



予測してなかったのか少しふらつきながら抱きしめ返した



「怖かったよ〜〜」



「よしよし、もう大丈夫だからな」



まるで子供をあやすように蓮は私の背中をさすった



「とりあえず、ここを出るか。歩ける?」



「うん…でも、まだ怖いから…その…」



「ん?」



「手…繋いでもいい?」



「っ……それはやばすぎだろ…」



「え?」



「涙目で上目遣いとか…まじ勘弁」



「蓮?」



「………行くぞ」



「…?うん」



今度こそ私たちは、はぐれずに無事外に出られた



「もう絶対行かない…」



「泣いてる姫歌子供みたいですっげえ可愛いかった」



「それぶり返すのやめてよ〜」



「最後に観覧車乗ろうか?」



「乗る!!」



笑顔になりそう言うと蓮は微笑んで歩き出した

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