最強ヤンキーとおてんば美少女
バイクに乗っていた男は降りるとこっちにきた



こ、こっち来るんだけど…



向こうは私がいることに気がついてない



だから、逃げるのは今のうちなんだけど…



怖くて足が動かない



男は段々近づいて来ると、やがて私に気が付いた



「よお…今日はお前1人なんだ?」



そして、今に至る…



「蓮も奏くんもいないわよ」



「お前、俺のこと覚えてたんだ?」



忘れるわけないじゃない!



あんな恐ろしい喧嘩見たのに…



忘れてるほうがおかしいよ…あんなの…



「学校の中入って、ひと暴れしようかと思ったが…気が変わった」



不気味な笑みを浮かべながら目の前の男、矢島はそう言った



「お前を連れてったらあいつらどんな顔するかな…」



「…は?」



私を連れてく…?



「殴られたくなければ俺と一緒に来い」



脅迫だ…



これは脅迫だ…



どうしよう…行くべき?



でも、行かなかったら殴られる…



この人女でも容赦しなさそうだし…



このまま走って逃げる?



いや、それはダメだ



私は脚力には自信ない



「おい、早くしろよ。殴られたいのか?」



これは本気でくる感じか…?



「俺を待たせるんじゃねーよ」

< 55 / 280 >

この作品をシェア

pagetop