最悪な初恋


あの飲み会以来、バイト終わりは家まで送っている。

最初は断れた。

けど、「最近物騒だから。」ってなんとか説得した。

送り続けて二週間が過ぎようとしていた。


…今日は変だ。
ずっと後をつけられている。

麻衣子も気付いてるみたいだ。

『…リュウ?』

「大丈夫。守るから安心しろ。」

『…うん。』

足音が近くなる。

振り向くとナイフを持った男。

〔ヤバい〕

麻衣子を庇うように立った。
豊が現れてストーカーを取り押さえた。

優衣が通報し、すぐに警察が来てストーカーは連行されて行った。

麻衣子も事情を聞きたいからと警察に連れて行かれた。

とにかく、ストーカーが捕まって一安心だ。


道に落ちていた手帳を拾った。
確か麻衣子が持っていたのだっけ。
今度会った時に渡そう。

そう考えていた。



この手帳が、運命を変えるとも知らずに。




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